Claude Code を使い込むほど、こう感じる瞬間が増えてきます。「この確認作業、自分が指示し続けなくても勝手に回り続けてほしい」——CIの監視、PRレビューコメントへの対応、デプロイの見守り、テストの修復。1回1回は数分の作業でも、人間が「次やって」と言い続けるのは馬鹿らしい。

その答えが、Claude Code v2.1.72 以降で使える /loop です。プロンプトを繰り返し実行し続けるバンドルスキルで、最大の特徴はインターバルを省略すると Claude 自身が「次に何分後に確認すべきか」を毎回判断すること。本記事では、3つの使い方から企業での運用パターン、cron や Routines との使い分けまでを解説します。

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本記事の結論: /loop 5m <プロンプト> で固定間隔の繰り返し、/loop <プロンプト> で Claude が待ち時間を自分で決めるセルフペーシング、引数なしの /loop で「未完了作業の継続→PRの世話→クリーンアップ」という内蔵メンテナンスループが走る。セッションが開いている間のポーリングは /loop、マシンを閉じても動かしたい定常業務はクラウドの Routines、と使い分けるのが正解。

/loop とは — 「指示し続ける人間」を不要にする

/loop は Claude Code に標準搭載されたスキルで、セッションが開いている間、指定したプロンプトを繰り返し実行し続けます。内部的にはプロンプトがcronスケジュールのタスクとして登録され、各実行はジッター付きで回り続けます。

使い方は3パターンしかありません。これだけ覚えれば今日から使えます。

書き方挙動
インターバル+プロンプト/loop 5m デプロイの状態を確認して固定スケジュール。cron式に変換され、確認のジョブIDが表示される
プロンプトのみ/loop デプロイの状態を確認してセルフペーシング。Claude が状況から1分〜1時間の待機時間を毎回動的に選択
引数なし / 間隔のみ/loop / /loop 15m内蔵メンテナンスループ。未完了作業の継続 → PRの世話(レビューコメント対応・CI失敗・コンフリクト解消)→ バグハント等のクリーンアップ

インターバルの単位は s / m / h / d。cron は1分粒度なので秒指定は切り上げられ、7m のような cron に合わない値は最寄りの値に丸めて通知されます。別のスラッシュコマンドを入れ子にできるのも実用上重要で、たとえば /loop 20m /review-pr 1234 とすれば、自作のレビューコマンドを20分おきに回せます。

/loopの3つの使い方 — 固定インターバル、セルフペーシング、内蔵メンテナンスループ
図1. /loop の3モード — 迷ったら「プロンプトだけ渡すセルフペーシング」が万能

本命は「セルフペーシング」— Claude が待ち時間を自分で決める

/loop の真価は、インターバルを省略したときの**セルフペーシング(自己ペース調整)**にあります。

人間がポーリング間隔を決めると、必ず無駄が出ます。CIが8分かかるのに1分おきに見れば7回は空振り、30分おきに見れば最大22分の放置。セルフペーシングでは、Claude が「ビルドが走っているから3分後に見よう」「静かだから30分後でいい」と状況に応じて次の起床時刻を選び、選んだ理由ごと出力します。さらに重要なのは、タスクの完了を確認したら自分でループを終了できること。「デプロイが終わるまで見守って、終わったら報告して止まる」という、人間のジュニアエンジニアに頼むような依頼がそのまま通ります。

実務での鉄板ユースケースは次の通りです。

CI/デプロイの見守り/loop CIが通るまで監視して、落ちたら原因を修正してpushして。失敗→修正→再実行のサイクルを人間なしで回す

PRの世話(babysitting)/loop 30m オープン中の自分のPRを見て、レビューコメントに対応し、コンフリクトを解消して。レビュー往復の待ち時間をゼロに

外部キューの処理/loop 10m サポート受信箱に新しい問い合わせがあれば下書きを作って。MCP連携先のポーリングに

継続的クリーンアップ — 引数なし /loop を退社前に仕掛けて、未完了タスクの続き・lint修正・テスト補強を夜間に進めさせる

loop.md で「自社専用の巡回ルート」を作る

引数なしの /loop が実行する内蔵メンテナンスプロンプトは、loop.md を置くことで丸ごと差し替えられます。プロジェクト直下の .claude/loop.md(チーム共有・優先)または ~/.claude/loop.md(個人用)に、自社の「巡回手順」を書いておくのです。

# .claude/loop.md の例
1. mainブランチのCIが落ちていたら最優先で修復する
2. オープンPRのレビューコメントに対応する
3. TODOコメントのうち今日中に潰せるものを1つ選んで実装する
4. テストカバレッジが下がったモジュールにテストを足す

実行中に編集しても次のイテレーションから反映されます。これはスキルや CLAUDE.md と同じ発想で、「暇なときに何をすべきか」までコード化してチームで共有するということです。

/loop・Desktopスケジュール・クラウドRoutinesの使い分け比較図
図2. 3つのスケジュール実行の使い分け — 「セッション中の即席ポーリング」が /loop の主戦場

cron・Routines・Desktop との使い分け

Claude Code には定期実行の手段が複数あり、公式ドキュメントも比較表で使い分けを示しています。

/loopDesktop スケジュールCloud(Routines)
実行場所自分のマシン自分のマシンAnthropic クラウド
マシンの起動必要必要不要
セッションの起動必要不要不要
ローカルファイル使える使える不可(フレッシュクローン)
最小間隔1分1分1時間
権限セッションを継承タスク毎に設定自律実行

使い分けの結論はこうです。

  • 作業中セッションでの即席ポーリング・見守り/loop(このためにある)
  • マシンを閉じても毎朝・毎晩確実に動かしたい定常業務 → クラウドの Routines(詳細は Routines 完全ガイド
  • ローカルファイルが必要だがセッションは開きたくない → Desktop のスケジュールタスク

また、単発のリマインドなら /loop ではなく自然言語で「15時になったらデプロイ結果を確認して」と頼めば、ワンショットのスケジュールタスクとして登録されます。

運用上の注意点

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知らないとハマる仕様: ループは7日で自動失効します(恒久運用は Routines へ)。1セッションのタスク上限は50。停止は待機中に Esc、無効化は環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_CRON=1。セッションを閉じるとループも止まり、--resume で復帰できるのは失効していない分のみです。

加えて企業利用では、ループ中の Claude はセッションの権限をそのまま使い続ける点に注意してください。「夜間に回す /loop には書き込み権限をどこまで許すか」はガバナンス設計の論点です(セキュリティ・ガバナンス チェックリスト参照)。なお、Bedrock / Vertex AI / Foundry 経由ではセルフペーシングが固定10分間隔になる、loop.md が読まれないなどの差分があります。

/loop は入口にすぎない — 自動化の全体設計へ

/loop で「見守り・繰り返し」を自動化できたら、次のステップは組み合わせです。

  • Dynamic Workflows と組み合わせ、「毎晩、数十エージェントでコードベースを監査して問題があればPRを立てる」
  • Routines に昇格させ、マシン不要の定常業務として毎朝のレポート生成や経理の月次処理を回す
  • スキル化 して /loop 20m /自社の巡回コマンド の形でチーム標準にする

ここまで来ると、もはや「AIツールの活用」ではなく業務プロセスの再設計です。どの業務から自動化すべきか、権限とコストをどう設計すべきか——自社に最適な道筋を最短で描きたい方は、500社以上の導入を支援してきた DigiRise にご相談ください。現場の業務棚卸しから自動化の実装・研修まで一気通貫でサポートします。